なぜヘミングウェイは自転車にこだわったのか?
かの有名な作家、アーネスト・ヘミングウェイは、"It is by riding a bicycle that you learn the contours of a country best." (自転車に乗ることによって、その国の輪郭を一番よく知ることができる。)という言葉を残しました。なぜ彼は、わざわざ「自転車」にこだわったのでしょうか。それは、単に景色を眺めるだけではない、五感で土地を体感するという旅の哲学がそこにあったからです。
1. 身体で感じる「起伏」
車や電車では、坂道も平地も同じように感じてしまいます。しかし、自転車は違います。ペダルを漕ぐ足に、坂道の勾配がダイレクトに伝わってきます。息を切らしながら上り、風を切って下る。この身体的な苦労と喜びのサイクルが、その土地の「輪郭」を記憶に刻みつけます。
2. スローペースで「細部」を発見
自転車の速度は、景色をじっくりと眺めるのに最適です。車では通り過ぎてしまうような小さな集落や、道端に咲く花、地元の人々との何気ない出会い。そうした細部こそが、その土地の本当の姿を物語ってくれます。
3. 風土を「肌」で感じる
風の匂い、土の香り、気温の変化。自転車は私たちを外部から隔てるものがなく、その土地の気候や風土を肌で感じることができます。これは、車や電車では決して味わえない、最も原始的で豊かな体験です。
🗺️ 地形を知って走れば、サイクリングはもっと面白くなる!
ヘミングウェイが説くように、私たちはサイクリングを通じて「土地の輪郭」を知ることができます。そこで一つ、この言葉をさらに深く楽しむための提案があります。それは、走る前に地形図をチェックするという、一歩進んだサイクリングの楽しみ方です。
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💡 仮説:地形を知ると「理解度」が増す
ただ漠然と走るのではなく、事前にルートの高低差や地形を把握しておくことで、私たちはその土地の成り立ちや文化までをも深く理解できるようになります。これは、まるで謎解きのような面白さがあります。
1. 坂道の理由がわかる!
「なぜこんなに急な坂道が続くんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?それは、かつて火山だった場所かもしれませんし、川が削った渓谷の跡かもしれません。地図で地形を確認することで、ただの「きつい坂道」が、その土地の壮大な歴史を語る「手がかり」に変わります。
2. 風景の「背景」を知る!
なぜこの場所に集落ができたのか?なぜこのルートは曲がりくねっているのか?それは、水が得やすい場所だったり、険しい山を避けるためだったり、地形と密接な関係があります。地形図は、目に見える風景の裏側にある「背景」を教えてくれるのです。
3. 走りの「戦略」を立てる!
地形を知ることは、サイクリングの攻略法でもあります。体力温存のために緩やかな坂道を選んだり、上り坂のあとに絶景スポットがあることを確認したり。事前に戦略を立てることで、あなたのサイクリングはより効率的で、そして感動的なものになります。
📈 地形図を見るためのヒント
地形図は、カシミール3Dのような専用ソフトや、国土地理院のウェブサイト、最近ではスマートフォンアプリでも手軽に見ることができます。
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等高線(とうこうせん): 地形の高さを線で結んだものです。等高線の間隔が狭いほど急な坂道、広いほど緩やかな坂道です。
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立体図: 地形を3Dで表示する機能もあります。より直感的に、ルートの起伏を把握することができます。
次のサイクリングでは、ぜひヘミングウェイの言葉を胸に、そして地図を片手に、その土地の輪郭を全身で感じてみてください。きっと、いつもの道が、全く違う景色に見えてくるはずです。